7日目:セブンイレブンちょっとゾクッとした話

野宿は安上がりだけど、かなり面倒

早朝5時、辺りはまだ真っ暗。変な誤解をされないためにも、近所の人たちが活動を開始する前にはここを発たなければならない。

しかし、本物の野宿はこの日が初めて。テント自体は設営も片付けも簡単だが、荷物の片付けにかなり手間取った。30分ほどで終わる予定が、結局1時間半もかかった。

テント泊は今回の旅に出る前に自宅のベランダで経験済みだが、その時は荷物も今ほど多くなかったし、トレーラーに積み込む作業もなかったので片付けは簡単なように思えた。しかし実際の野宿はそう簡単ではなかったというわけだ。トレーラーには余分なスペースが全くなく、きっちり整理整頓しなければ全て入りきらない。それでかなり時間がかかった。

テントの片付け風景

野宿は結局、損or得?

結局、野宿は安く済むがその分場所の確保(土地の所有者の許可)、準備と片付け、睡眠の質が低くなる、外に置いてある荷物の盗難の心配、雨の心配などなど色々と面倒くさい。

面倒くさい上に睡眠の質も低いので、日中の疲労は抜けないまま翌日も歩くことになる。疲労が溜まり、結局は宿泊施設での休養日が増えるのでお金もプラスマイナス0、という感じだ。

置き手紙と優しいおにぎりの味

出発準備が整いいよいよ出発。

お世話になったラーメン屋のご家族にお礼言いたいが朝早いためお店には誰もいない。手紙をドアの隙間に挟みお礼を言って本日の旅を始める。

50mほど歩いただろうか、後ろからラーメン屋のあの優しい娘さんが走って追いかけてくるのが見えた。

「はい、これ。お母さんが持っていきなさいって!」

と、袋いっぱいのおにぎりを手渡してきた。野宿場所の交渉、水道やトイレの提供までしてくれたのにこんな早朝におにぎりまで持たせてくれるなんて。。。

言葉がない。

ここのご夫婦もそうだが、特にこの子はあまりにも優しくてしっかりした子だったので将来の夢を聞いてみた。すると「助産師さんになりたい」という。僕の小学校の頃といえば明確な夢などなかった。毎日運動することしか頭になく、朝起きれば「今日はバスケとサッカーをしよう」などという野球少年ならぬ運動少年であった。いやどうしようもない運動バカだった。

この女の子は10歳前後にしてすでに命と向き合おうという選択している。人はこうも違うのかと驚きと喜びを同時に感じてなんだか嬉しい気持ちになった。

「○○ちゃんなら絶対なれるよ!」と妻と即答えた。

ちなみにおにぎりは歩きながらでも食べやすいように一口サイズに小さく握られていた。ここまでの気配りに僕ら夫婦は感無量であった。味もワカメに塩がきいて優しい味だ。

半分食べてしまったが、これが頂いたおにぎりの写真
ラーメン屋さんから差入れされたおにぎり

西郷隆盛の出迎えとダメ夫回避!

道中、西郷隆盛の看板が迎えてくれる。

「歴史が舌に舞う」

なんて良い響きだ。

西郷隆盛のお出迎え

僕はお酒は基本的に飲まないが、お酒にはついつい目が行く。これも祖父がお酒を造っていたからであろう。お酒の味も全く分からないがいつも目だけは行ってしまう。

しばらく歩いているといかにもジブリのトトロに出てきそうなお店を発見。

ジブリに出てきそうなコーヒー屋さん

自然農法のようなことが書いてある。僕たちは味の違いは分からないが、コーヒーは毎日飲むほど好きな飲み物だ。店員さんとランチに行くほどスタバにも通った。

妻の目が輝く。これは行かなくてはダメ夫だ。

たくさん飲みたいところだが、カフェインはトイレが近くなるので二人で1杯にした。ここは我慢である。

うん、旨い。疲れが少し和らいだ気がした。

ちなみにカフェインは運動中に摂取すると脳がさえて(脳の覚醒作用)、疲労を感じるのを抑制し集中力を高める作用がある。僕はマラソン大会の時も疲労感が溜まりそうな時や集中力を高めたい時によく摂取する。

再び、本日のコースに戻る。

田んぼの前でパソコンをいじる怪しい人物

さて、本日の宿泊場所は決まっていない。昨日までの徒歩の疲労と野宿で疲労回復できず体はガタガタ。

今日はホテルに泊まって回復を図りたいところ。

さぁどこまで足を運ぼうか悩む。

昨日の段階から悩んではいたが決めかねていた。そろそろ決めなければいけない。安く泊まれるホテルをグーグルマップで探す。

いろいろ調べると薩摩川内駅の近くに東横インがあるではないか!安いので連泊もでき、朝食も付いているので量も食べれて野菜も採れる。野菜は抗酸化作用、疲労回復、解毒作用があるので必須だ。

これは良い。

しかし距離にしてここから20km以上ある。時刻はもう13時を過ぎている。

非常に悩む。

日本縦断を始めてからというものしっかりとした休養を取っていない。船でも結局船酔いの恐怖と雑魚寝で眠れず疲労はたまってしまった。ここで休まなければ後々疲労が形となって身体に表れるのは間違いない。妻に至っては普段運動という運動はしないため、かなり疲労が溜まっているはず。それに今日の昼食は差入れのバナナのみ。

ここは意を決して薩摩川内駅そばの東横インを目指すことにした。

そうと決まれば即行動である。休憩がてら国道と田んぼの間の歩道でキャンプ用チェアとパソコンを取り出し、さっそく予約作業。スマホからやろうとしたがセキュリティーのためか、どうやら新しく会員登録をしなければならなかったのだ。ここでも物事はすんなりいかないことを思い知らされる。

スマホでは面倒だし僕はパスワードの管理はラストパスという管理ツールを使っている。なので、パソコンで素早く新規登録とパスワード等をラストパスに記憶させる。山の中でハイテクな作業ができるなんて、なんて素晴らしい時代だ。やはりスマホよりパソコンが早い。楽勝で全作業終了。

休憩もそこそこに再び脚を動かす。

サクラカネヨの醤油アイスが旨い

僕たち夫婦はコーヒーも好きだがお餅やアイス、ケーキといった甘い物も大好きだ。酒癖ならぬ甘いもの癖が悪い夫婦だ。そんな僕たちの前に「醤油アイス」なる文字が立ちふさがる。

こんな手強い誘惑に勝てるわけがない。すでに妻の目は先ほどのコーヒー屋さんの時以上に輝いている。これも行かなくてはダメ夫のレッテルが貼られよう。

お腹を冷やし過ぎないようここでも注文は二人で一つ。そう二人ともお腹が弱いのだ。

店に入ると周囲のお客はもちろん、店員さんまで不思議そうに我々を見ている。

皆さんに徒歩で日本縦断中ということを説明する。店員さんは「ここに立ち寄ってくれて有難うございます!」と芸能人でも来たかのような喜び様だ。

何か恥ずかしい。

皆さんと話し終えると、いよいよ「醤油アイス」なるものが出てきた。

店員さんによると、味は団子に似ているという。みたらし団子は僕の大好物だ。ガリガリだった僕を名古屋時代に太らせた張本人だ。

アイスとはいえ、みたらし団子との久しぶりの再開に僕も笑みが抑えきれない。

実際に食べてみると、最初は濃厚なバニラアイスの味で、徐々にみたらし団子の味が主張してくる感じだ。ぜひ読者の皆さんもお試しを。

サクラカネヨの醤油アイス

再び歩みを進める。

相棒のガーミンにトラブル発生

本日の距離は約30kmなので自然と歩行時間も10時間を超えてくる。10時間を超えるとスマホやガーミン(距離を測るGPS腕時計)のバッテリーがもたない。バッテリーが切れる前に充電しなければというこで、コンビニに立ち寄り長めの休憩を取りながらそれらを充電する。

スマホとガーミンを充電しながら休憩

と、ここでトラブル発生。

普段なら30分も充電すれば結構充電されるのだが、1%も増えない。理由はわからないが充電できない。ピンチである。もう少し待ってみようと、さらに30分が経過。逆に1%減ってしまった。これはダメだと判断し、急きょスマホで歩行距離を測ることに。

二人とも焦り始めた。今日の目的地までまだ15kmもある。時刻は16時を過ぎている。信号や荷物、時々地元の人とコミュニケーションなどの影響で歩行速度は平均1km/15分なので1時間で4kmほどしか進めない。

つまり今日の目的地、薩摩川内駅まではあと4時半はかかる。

暗くなる前に薩摩川内駅に到着したいが、まあほぼ不可能だろう。

ちびっ子応援団

薩摩川内に向かって歩いていると、50mほど先でちびっ子たちがこちらを見て待っていた。徐々に近付くとそばの車から若いお母さんも出てきた。

話を聞いてみるとどうやら妻が小柄過ぎて子供にみえたのだとか。父親(僕)と子供で日本縦断中だと思ったらしい。ちびっ子達も自分と同じくらいの子供(妻)が日本縦断してると思い声をかけてくれたようだ。

残念ながら僕たちはいい歳である。年齢をきいてお母さんもびっくりしていた。

ちびっ子応援団とお母さんの声援を背に先を急ぐ。

ちびっ子応援団再び

20~30分は歩いただろうか、先ほどのちびっ子応援団が前から走ってくるではないか。

手には何か持っている。

どうやら先回りして差入れを買ってきてくれたようだ。しばらくぬるい飲み物ばかりだったので、冷たい飲み物は疲れ切った身体に浸み渡っていった。

何てベストなタイミング。何て有り難い。

おそらく僕たちのことは薄っすらとでも記憶に残るだろうから、次は彼らがいつかこのような温かい応援をされるような何か大きなチャレンジをしてほしいと願う。もちろん日本縦断のなんかじゃなくていい。自分の未知の可能性にチャレンジしてほしい。

人生はチャレンジするから楽しいのだ。

山もない谷もない高速道路のような平坦でただひたすらまっすぐな道は退屈なだけだ。

安定こそ不安定。

常識こそ非常識。

これは僕の持論である。

ちびっ子応援団

セブンイレブンに夢を乗せて~胸を張って生きる障がい者家族~

辺りは薄暗くなってきた。もう薩摩川内駅までは2~3km。すると薄暗い中、前方に一人の女性が不思議そうな顔をしてこちらを見て立っている。立ち止まって力強い声援を頂く。

話しをきいていると彼女とその家族はこれまで苦労の連続でどん底まで落ちたらしい。諦めず頑張り続けてやっと今では人並みに生活を送れるようになったのだとか。僕たち夫婦と似ている。

実は彼女には3人の子供がおり、うち2人は障がいを持っているとのこと。子供たちが入退院を繰り返したりで通常の子育てよりも助けが必要なため、それで一般の会社で正社員として働くことも難しいそうだ。そこで旦那さんと昔からの夢であるセブンイレブンをやろうということになったのだとか。コンビニならどこでもよかったわけではなく、セブンイレブンと昔から決めていたらしい。

セブンイレブンはこの旅でもかなりお世話になっているし、僕たち夫婦の名古屋のド貧乏時代にも一番にお世話になったコンビニだ。ここでも共通点。

しばらくして彼女の旦那さんが帰ってきて少し話した。旦那さんも優しくて頼れそうな印象。息の合った良い夫婦に感じた。

そして何より彼女の言葉が力強かった。

障がいをすっかり受け入れて家族で生きているのが感じられた。

この辺はお年寄りも多く買い物にも行けない人が多いので今後は宅配も導入したいと次の夢も語ってくれる。儲けを考えるとよそのコンビニ経営者は宅配はやりたがらないのだとか。

ん~ビジネスと社会貢献の両立を目指す姿は素晴らしい。僕は価値のあるビジネスの話も大好きなので良い差入れとなった。

二人の充実した表情は障がい者を抱えていない多くの家庭よりも幸せに見えた。

幸せとは何だろうか。

欲望に支配されるのは真っ平御免だ

幸せとは何だろうか。

結局のところ自分の気持ちをどこに置くかで決まるのではないだろうか。そこを邪魔してくるのが欲望である。欲望に支配されれば欲望の命令のまま、お金や地位や名誉の為に働かされる。

僕は支配されるのは真っ平御免だ。

欲望の為に生きているのではない。自分の為に生きているのだ。幸せになるために生きているのだ。

大事なのは自分が何に幸せを感じ、何に幸せを感じないのかじっくり自分と会話することである。僕は幼い頃からずっとそのことばかり考えてきた。

今後も欲望とは上手く付き合っていきたい。

障がい者はなぜ隔離されているのか

せっかくなので、ここでもう少し社会問題に切り込んでみよう。

実は僕たち夫婦はよく障がい者の話をする。NHKのバリバラはよく観る番組だ。障がい者が自分の障がいをネタにして面白おかしく、時に問題提起をしながら進行していく番組だ。自分たちは弱者だというようなスタンスではなく、障がいがあっても一生懸命生きてるんだという感じでもない。深い意味で“普通”である。

最初は障がい者が頑張ってるなという目で僕らも観ていたが、いつのまにか他の番組と同様、“普通”に観れるようになっていた。

もちろん、お笑い芸人のように芸に長けているわけでもないが、健常者が日頃友人同士で笑い話をしているかのような感じで観ていて“普通”に面白い。

可愛そうという視点から、「なるほど!」と普段は分からない障がい者の正直な気持ちが分かるという視点で観ている。どこか「ふしぎ発見」のような新たな発見が得られる番組に似た印象がある。

マイノリティは交われば解決される

妻は小柄だし器用な方でもないが、そんな自分でも助けられるからか障がい者やお年寄り、赤ちゃんの世話が好きだ。

一方、僕は小学生の頃から障がいを持った人がなぜいじめられたり、社会から孤立させられていたり、それこそ自分自身がなぜ変な目で見てしまっているのか考えていた。人間はなぜ見慣れぬものを避けるのか今でも頻繁に考える。

かなり時間はかかったが最近やっと、障がいに限らずマイノリティな人はそうでない人たちと隔離させているから差別やいじめが生まれるのではないかと思うようになった。

普通に交われば問題は解決されるのではないだろうか。

将来的にはマイノリティな人たちが隔離されず、そうでない人たちと交われるような社会になるために何か貢献したいと考えている。ちなみにボランティアではない。ビジネスでしっかり社会の居場所を創出したいと考えている。ボランティア(善意)には限界があるからだ。

僕たち夫婦はそういう話をしょっちゅうしている。もし我が子が障がいを持ったらどうするかということはもう何度も話している。流行りで安易に使われているので僕はあまり使わないようにしているが、この出会いはきっと引き寄せたのだろう。

このご夫婦には勇気を頂いた。

セブンイレブンオーナー夫婦

ちなみにこの日は6月11日、日本縦断7日目だ。11日7日目、運命だろうか。良い意味で背中がゾクッとした。

そして最後に差入れも頂いたのだがこの量が凄かった。

(既に何本かは飲んだ。)
セブンイレブンのオーナー夫婦からの差入れ

これでしばらく飲み物の心配はいらなくなった。

本日の歩行データ

時刻は20時半頃、ようやく本日のゴールである薩摩川内駅そばの東横インに到着。

もうあたりは真っ暗だ。

薩摩川内駅に到着
宿泊場所 東横イン薩摩川内駅東口
歩行距離 29.04km
(ガーミン+iphoneアプリ「Runtastic」)
歩数 48,290歩
7日目の歩数
疲労度 10/10

2 件のコメント

  • てか、人てこんなに差し入れとかするもんなの!?スゲェー メッチャいい経験だね!鳥取はいつだね?笑

    • めちゃいい経験だった!これでも何本か飲んだ後だぜ。まぁ節約家(←いつも通りあくまでも嫌味だからよ!気にするんだぞ!笑 )の君には分からんだろうな~┐(ε。ε)┌

      うそさ(笑)これを超える差入れ待ってるぜ!軽くて何にでも交換できるアレな!(笑)そうソレです!

      で、実はこの次の旅でもっと凄い差入れ?が。詳細は鳥取で(笑)

      500kmほどあるので、だいたい一カ月後だな!

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