14日目:日本一周はついで!?自転車で世界一周したチャリダーに出会う

自転車で世界一周してきたトモさん

日本縦断14日目(2016年6月18日)

高速の下で昼食

日本縦断14日目。今日も昨日同様に20km前後の旅となる予定だ。

今日は天気も良く午前中は快調に足も運んだ。しかし天気が良すぎでかなり暑くなってきたので、日陰で昼食をとることにした。とはいっても、歩道や道路に休めるようなスペースで日陰になっている場所などほとんどない。

偶然にも今日歩いている道(国道3号線)は人通りも少なく高速道路の下に広くて休めそうな場所があった。人は誰もおらずスペースもかなり広い。これなら気兼ねなく休めるということで、昼食も兼ねて休憩をとることにした。

国道三号線で昼食

スーパーホテル水俣のご厚意に感謝

今日の昼食は昨日宿泊したスーパーホテル水俣の朝食に出されていたパンだ。

ホテルの方に日本縦断していることを説明すると朝食が終了し、余ったパン(おそらく廃棄処分?)を戴くことができた。ここのスタッフは心が温かく僕らが出発の準備をしている間、暑いだろうにずっとホテルの入り口で見守ってくれて最後はホテル従業員というより、「心から応援しています」というような雰囲気で一個人として温かい声援を頂いた。

ちなみに朝食はビジネスホテルの軽食ではない。結構レベルの高いものだった。これなら東横インよりやや高めでも稼働率が高い理由は分かる。

不審者扱い?一切声援無し

ところで今日の昼食場所はちょうと交差点になっており、目の前の信号で車がよく止まる。

僕らは目があえばいつも通り会釈をするのだが、目を合わそうとするとみんな慌てて目を反らす。まるで不審者を見たかのように目が合おうものなら不自然に反らす。

まあ、こんな人っ子一人いない場所で男女が大きな得体のしれない物(トレーラー)のそばでパンをかじっていれば怪しくも見えるだろう。

予想外の山越え

昼食も終え体力も少し回復したので残りの道のりを進んだ。

すると突如、予想外の山が出現した。

今日の前半はずっと平坦な道が続いていたため、後半も平坦だろうとどこか安易に考えていた。しかしその考えは安易過ぎた。実は今日の道のりの半分は上り坂だったのだ。

グーグルマップをまだ使いこなせていないからか、山の確認が難しい。

いつも山がないことを祈りながら進むのだがその願いは毎回もろくも崩れ去ってしまう。

山は急こう配で歩道もほとんどない。もちろん人などいない(でもバス停はあるのが不思議)。

こうなれば車は猛スピードである。一番怖いのはトラックだ。そばを通り過ぎる時の風圧が物凄い。もう強い台風並みだ。事故に合わないよう、妻に誘導棒(工事現場などで使われている赤い棒)で運転手に向かって存在をアピールしてもらう。

こんな感じで山々を超えていった。結局今日は山を3つほど超えた。

尋常じゃない量の汗を垂らしながら山を越える
汗だくで山を越える様子

過去最長522mのトンネル

山中ではもちろんトンネルがある。今日の津奈木トンネルはなんと522mのトンネルである。トンネルはひかれそうで怖いのに、今日のトンネルはなんと522mもあった。念のため懐中電灯などライト3つをフル活用して進むことにした。

チャイルドトレーラーに100均で買った自転車のテールライトを付けている様子
チャイルドトレーラーにライトを装着

もちろん歩道などない。ここは人が歩いて通ることなど想定されていないからだ。歩道はトンネル入り口で終わっている。

歩道はここまで
津奈木トンネル入り口

トンネルの中に入ってみると一応トレーラーが通れはするがかなりギリギリである。事故にあう確率は極めて高い。そばを乗用車やトラックがビュンビュン通り過ぎる。風圧に耐えながら、トレーラーを押しながら、なおかつ抑えて必死に進む。

細い歩けるスペース&通り過ぎる車からの風圧で幟がバタバタと揺れている
津奈木トンネル内

チャイルドトレーラーに取り付けたライトが光っている
津奈木トンネル内02

津奈木トンネルも後半に差し掛かる
津奈木トンネル後半

事故に合うことなく、なんとか津奈木トンネルから無事脱出することができた。

津奈木トンネルから無事脱出

トンネルの出口付近で反対車線を走るクールなチャリダー(自転車の旅人)が軽く手を振って去っていった。こちらも手を振り返す。旅人はすぐに仲間意識が芽生えるものだ。

理想郷、再び

山を越えるのはとても苦しい事だが、それ以上に景色が最高だ。僕は那覇や名古屋(東京も一か月くらい)など都会にしか住んだことがないのでこういった自然に触れる機会が人生でほとんどなかった。

そのため自然とともに生きることに憧れを持つ。

今日もハアハアと息を荒げ汗だくでトレーラーを押している中、素敵で幻想的な風景が突如目に飛び込んできた。森の中に小さな村がある。

これはテレビの金田一幸助に出てきそうな小さな村だ。いや集落だろう。自然とともに生きている感じがする。昨日の海のそばの家に引き続き、ここも理想郷に思えた。

山の中にある小さな村 山の中にある小さな村02 山の中にある小さな村03

自信は過信?世界一周の“ついで”で日本一周するチャリダー現る

山を越えると「オリンピック銀メダリスト 藤井瑞希」と書いた看板が見えてきた。「芦北町湯浦中の誇り」とも書いてある。

どうやら本日の宿泊地、芦北に入ったようだ。

ロンドンオリンピック銀メダリスト藤井瑞希選手の看板

今日泊まるホテルまで残り3kmの所で雨がポツポツ。大降りにならないうちにと歩を加速させる。

しかし残り2kmの所で雨が徐々に強まってきた。

一旦足を止め、電子機器をアウトドライ制の防水バックに避難させる。電子機器の避難が完了し再び歩みを進めようとすると、前方からまたまたチャリダー登場。よくみると、先ほどトンネルで追い越していったクールなチャリダーだ。

なんで引き返してきたのかわからないが、今度は立ち去ることなく僕たちの所にやってきた。

雨はまだやまない。本降りになりそうだ。

チャリダーが話しかけてきた。

雨には打たれたくないが、旅人の会話は楽しいので、雨を気にせず話す。

彼の名はトモさん。

この出会いもまた良い出会いでトモさんにはともて感謝している。

実はトモさんは3年以上かけて世界一周してきて、つい最近日本に帰国したのだとか。これまでに出会った旅人も日本一周や南米の旅など僕らよりもスケールのでかい旅人ばかりだったが、この男性はそれをはるかに上回るスケールであった。

旅の知恵も桁違いだ。彼からは多くのことを学ばせてもらった。

しかし彼はそんなスケールを前面に出すことなく、優しい笑顔に低姿勢でフレンドリーな性格の持ち主だった。旅に出る前の彼のことは知らないが、もし世界一周をしてこのような魅力的な人になれたのなら、僕も旅人の端くれとしてこの日本縦断の旅で少しは近付けるかもしれない。

お互いにこの後の予定を話すと、どうやらお互い熊本でボランティアをするようだ。しかし「17日目(6月21日)ボランティアはハードルが高い?」でも皆さんに質問したように、僕らには何も情報が無かった。どうやってボランティアに参加すればよいか分からなかった。

実際、ボランティアに参加するのは敷居が高く、道具や時間や費用が結構かかるのだ。徒歩でしかも荷物も多い僕らには到底参加できるわけがなかった。

トモさんは既に情報を得ており、自分は一番被害が酷かった益城町のボランティア施設でボランティアをするとのこと。僕らには崇城大学にあるボランティアビレッジというところを勧めてくれた。理由は徒歩だからだ。

益城町のボランティア施設は山の上にあるようで、僕らには勧められないとのことだった。それよりも熊本市内に平坦な道で行ける崇城大学のボランティアビレッジを紹介してくれたのだ。

数日後、実際僕らはそこに行くことになる。

世界一周チャリダーが恐れる日本縦断トホダー

トモさんとはボランティア以外にも話をした。

僕らは世界一周をした人と会うのも話すのも初めてで始終圧倒されていたのだが、当の本人は凄い事をしたというような雰囲気ではない。謙遜しているわけでもなく至って“普通”である。逆に僕らに圧倒というか、驚いていた。

なぜかというと、旅人の間でトホダーが一番“イカレテいる”からだ。旅人でない人からすると車でも自転車でも日本縦断や日本一周は凄い、あるいは変わり者に見えるかもしれないが、そんな彼らから見て歩いて旅をする人(トホダー)はすこぶる変わっているらしい。まさに“イカレテいる”のだ。

笑いながらトモさんは「チャリダーの間でもトホダーだけはおかしい。ネジが外れてる人しかやらない。良い意味ですけどね。」と笑顔で褒めてくれる。

世界一周してきた過去最強の旅人に褒めてもらえると嬉しいものだ。

ところでトモさんは世界一周をしてきたのになぜここにいるのか聞いてみた。するとなんと世界一周して帰ってきたのでそのおまけで日本一周をしているというではないか。

僕たち夫婦はもうまさに目が点になった。

こちらは死ぬとまではいかないが、結構苦しい思いをしながらここまで来た。まだわずか300~400kmの道のりである。それでもかなり苦しい日々だった。もちろんその分自信もついてきた。しかしそれは過信だったのかもしれない。世界一周の“ついで”に日本一周されたらもうお手上げである。

やはりどこの世界にも上には上がいるのだなと改めて思い知らされた。

ちなみにトモさんは元々は会社員(おそらく結構良い所)でインドア派だったらしい。働いていた会社もゲーム会社だったとか。そんな彼が世界一周をしてついでに今日本一周をしている。

人は所属や地位、過去の実績や肩書、性格などでその人の能力を判断しがちだが、人間の可能性は結局のところ本人次第である。今できなかったことが明日にはできるかもしれない。誰にでもその可能性はあるのだ。

僕ら夫婦はお互い社会にあまり役立たない人間だという意識がどこかにあるのだが(特に僕は幼い頃から周囲や社会に溶け込めてこなかった)、自分たちの可能性を信じてみたいし、さらに可能性を引き出したいという思いでこの旅に挑んでいる。

過去や現状は関係ない。なんなら有する能力すら関係ない。今、あるいは将来やりたいことがあるなら、ただやるだけなのだ。進みたい道があれば、過去を見ずただ進むだけなのだ。そこにリスクなどない。

リスクに見えるのは自分が作り出した単なる“幻想”にすぎない。

話を戻す。

トモさんからは旅の知恵もたくさんもらったが、それよりも醸し出される人間力を学ばせてもらった気がする。トモさんとはこの後もボランティア情報の交換でやり取りをして、運命か否か、再会することになる。

トモさんのブログはこちら
世界をポタリング

自転車で世界一周のついでに日本一周をしているトモさんが徒歩で日本縦断をしている僕らに驚いているシーン。トモさんは驚いて半笑いしている。
世界&日本一周中のチャリダーがトホダーに驚いているシーン

世界を旅してきたトモさんの自転車
世界を旅してきたトモさんの自転車

トモさん手作りのバックミラー
トモさんの旅の知恵、手作りバックミラー

3人で記念撮影
世界一周チャリダーと記念撮影

本日の歩行データ

トモさんと話しているうちに雨はすぐに止んだ。その後は30分ほどで本日の宿、ホテルAZ熊本芦北店に到着。

ホテルAZ熊本芦北店に到着
宿泊場所 ホテルAZ熊本芦北店
歩行距離 21.68km
歩数 32,729歩
day14hosuu
疲労度 8/10

自転車で世界一周してきたトモさん

4 件のコメント

  • あれ?この前福岡入りしてなかったっけ?夢かな。。。九州は雨激しいみたいだからキオツケテー 心の底から差し入れしたいけどできないザンネン!笑

    • だよ!今小倉駅そばの超激安ホテルで連泊中!天気悪いのでナイスタイミング。体全体痛いので一週間ほど休養しながら滞っているブログを書いている。だからブログには時差があります。明後日には下関に入ります。差入れは現金振り込みって手もあるんだぜ!(笑)ボーナス入ったのはバレているんだぞ!下関ではふぐ食べたいな~。でも高いな~。どっかからニャン中の財布降ってこないかな~。

    • 公でそんなことを言うな(笑)危険な香りはぷんぷんしたけど、無事今はもう山口県のすぐ手前!(小倉駅そば)

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