134日目:「泊めて!」に挑戦

歩記

日本縦断134日目(2016年10月16日)

公民館で「泊めて!」に挑戦!

昨日、休養をとった僕らは元気を取り戻した。

と言いたいところだが、全く疲れは抜けない。もうさっさとゴールして旅を終えたいというのが本音だ。でも、諦めないと誓って出発したので今日もまた歩く。

さて、今日は京都に入る予定である。

二日連続でホテルに泊まってしまったので、節約のため今日は公民館に挑戦することにした。鱒留(ますどめ)に綺麗で敷地が広い公民館があるようなので、そこで泊めてもらえるか訪ねてみようと思う。ちなみにそこがダメだった後の事は考えていない。あくまでも泊まれる前提だ。

いざ京都へ!

朝から疲れている僕らは空元気で今日も一日をスタートした。

歩き出して約2時間ほどで兵庫と京都の県境に付いた。今日は疲労回復のため24㎞と短めに設定しているので、あまり焦らずに進んだ。

途中、また今日も熊の物らしき罠を発見
熊の罠

国道178号線。京都まであと数百メートル。
京都の手前

途中休憩。かなり疲れている。
途中休憩

兵庫と京都の県境
兵庫と京都の県境

調度3時のおやつの時間、一台の軽トラが僕らの前に止まった。中から年配の男性が降りてきて、

「これこの辺の名物のお餅」

と差し入れをくれた。餅好きの僕にとっては嬉しい差し入れだ。この運がこの後も続けば良いなと願い、再び歩き出した。

京丹後京丹後市久美浜「茶屋あそび石」のよもぎ餅

鱒留の公民館にて、いざ、宿泊交渉!

それからさらに1時間ほど歩いたところで、本日の仮目的地「鱒留」に入った。時刻は16時30分と調度良い。

京都府京丹後市峰山町鱒留

ほどなくして公民館もすぐに発見。やはり綺麗で敷地も広い。これならいけるかもしれないと思い、ドアをノックしてみる。しかし反応がない。

とそこに犬の散歩をしている地元の男性を発見。日本縦断中である旨を伝え、思い切ってここに泊まれないか訪ねた。だが男性は渋い顔。でもここを逃すと今日はもう寝床がないので粘ってお願いした。

すると管理をしている偉い方に聞いてみてあげると、その偉い方に電話をしてくれた。

しかし残念ながら即断られた。もうこれ以上粘っても無理そうなので先に進むことにした。丁寧に笑顔で感謝を述べ、再び歩き出した。

以前、公民館も泊めてくれるところはあると何度かアドバイスをもらっていたが、今のご時世では難しいようだ。

その後もテントが張れそうな立派な建物を見つけたので泊めてもらえないか、あるいは敷地内にテントを張らせてもらえないかとお願いしたが即断られた。

田舎なので温かいかなと勝手に思っていたが、こんなところにまで近年の都会の物騒な空気は広がっているようだ。この時、出発前に読んだ日本縦断の本で「旅人だからと親切にしてもらえると思ってはいけない」と書いてあったのを思い出した。

本で言っていたのはおそらくこういう事なのだろう。実体験できたので、これはこれで良かった。良い経験となった。

寝床を探しているうちにあっという間に陽が暮れてきた。辺りはもう20~30分で暗くなる。気持ちがどんどん焦ってきた。

三度の挑戦も空しく・・・

路頭に迷っていると、ついには雨まで降ってきた。今日はもう踏んだり蹴ったりだ。

とりあえず僕らは小さな商店で雨宿りをすることにした。中にいたおばちゃんに一言断る。そして僕ら日本縦断中であることや寝床を断られたことなどを話しているうちに徐々に打ち解けていった。

おばちゃんは「この辺はもうどこも泊めてくれないだろう。物騒だからね。」と言う。結構な田舎だが、この辺は用心深いようだ。

おばちゃんと話していると、若い青年が数名やってきた。地元の青年らしくおばちゃんとも古い付き合いのようだ。

ここで僕らの宿の話しとなり、青年たちが「おばちゃん、ここに泊めてやんなよ!」と言ってくれる。

僕らも今がチャンスと思い、「地べたでも良いのでお願いします!」と何度もお願いした。

しかしここでもまた残念な結果に終わった。

おばちゃんは泊められない代わりにと「いわしちくわ」をくれた。

差入れの「いわしちくわ」

そしてとうとう辺りは真っ暗となり、僕らは途方に暮れてしまった。しかしおばちゃんは全く泊める気はなさそうなので、再び僕らは当てもなくただ進むことにした。

不気味な鳴き声のする公園で野宿

グーグルマップを調べると数キロ先に大きな峰山途中ヶ丘公園という公園がある。仕方ないので今日はその公園で野宿することにした。

雨が降る暗い夜道を歩くこと30分、峰山途中ヶ丘公園に着いた。

峰山途中ヶ丘公園

公園に着くと早速、寝床になりそうな場所を探す。妻には荷物の番をしてもらい、僕だけで探しに入った。

公園の奥は真っ暗で何も見えない。手持ちのライトでは遠くの様子はさっぱり分からない。調度公園の入り口から一番遠い場所に差し掛かった時、突然獣の鳴き声が響き渡った。

鹿でもなさそうだし、鳥でもなさそうだ。猿にも似ているがやはり違う。真っ暗中その鳴き声を聞いた僕は急いで妻のいる街灯のある公園の入り口へ戻った。一昨日の夜の山での経験がトラウマとなっている。

最近怖い思いばかりしている。もう嫌だったが、雨も降っているし時間も時間だ。(19時頃)

仕方なく公園内の建物の一角で野宿することにした。

今日の夕食は差入れの「よもぎ餅」と「いわしちくわ」
134日目の夕食

公園で小雨に打たれながら食べる
134日目の夕食

野宿の様子(撮影は翌朝)
峰山途中ヶ丘公園で野宿

暗いとこんな感じ(撮影は翌朝)
峰山途中ヶ丘公園で野宿

朝の峰山途中ヶ丘公園の様子
朝の峰山途中ヶ丘公園の様子

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