日本縦断26日目(2016年6月30日)
空気入れは旅の命綱
この連泊で最も重要だったのがチャイルドトレーラーのタイヤのメンテナンスだ。もう二度もパンクしている。このタイヤでどこまでいけるのかも素人の僕らには分からないし、空気入れも使い方が間違っているのか、僕の力ではどうしても半分くらいまでしか入らない。
分からないことだらけなのでプロに聞こうとまずは自転車屋さんを探した。運よくホテルのすぐ近くに大きな自転車屋さんがあったのでそちらで事情を説明し、どのような道具がいるか、タイヤはどのくらいもつかアドバイスしてもらった。
タイヤはどうやらまだまだ大丈夫らしい。北海道までもいけるはずだという。空気入れに関してはやはり今の物ではダメらしい。それで購入したのが、この空気入れだ。
先ほども話したように、以前に購入した空気入れは僕らには上手く使えなかったのか、空気を入れるのは半分が限界だった。お店の方に聞いてみると、これはあくまでもパンク修理して数百メートル進むためのもなんだとか。その後にきちんと空気を入れないといけないらしい。
熊本で買った小型の手で押すタイプの空気入れ
僕らは歩いて日本縦断をしている。そんな空気をきちんと入れられるお店はそうそうない。なので自分たちで持ち歩くしかない。まさに空気入れはこの旅の命綱なのだ。しかしサイズの大きい空気入れは持っていけないので、コンパクトなものが最低条件だった。
しかもここで大きな問題が。
英式バルブと米式バルブの問題
実は熊本で最初にパンクを修理した自転車屋ではタイヤごと交換している。その際にバルブというものも型式が違うものになっていたのだ。(米式バルブから英式バルブに換わっていた)
バルブには3つあって、英式バルブ、米式バルブ、仏式バルブがあるそうだ。型式によって空気入れの口をそれ専用に換えるのだが、この問題がとてつもなく面倒だった。
英式バルブ
米式バルブ
国内の自転車はこの英式バルブを使っているらしい。だから自転車屋さんによっては米式バルブに対応していない空気入れしか置いていないことがある。実際それで旅の途中で何度か空気を入れることができなかった。
前述の通り、熊本で交換したタイヤは英式バルブに変更になっているため、現在、トレーラーのタイヤは片方が英式でもう片方が米式なのだ。
つまり両方で使える空気入れが必要なのだ。
ちなみになぜチャイルドトレーラーが米式バルブなのかというと、このチャイルドトレーラーはバーレーという会社の商品である。バーレーは米国企業なので米式バルブを採用しているのだろうと推測する。
残念ながら日本の自転車は英式バルブが主流なので、僕らが旅で通る町の小さな自転車屋さんでは米式バルブにも空気が入れられる空気入れ(ガソリンスタンドに置いているような機械式のものとか)は置いていない場合も珍しくないのだ。
町の自転車屋さんには、昔ながらの足で固定して上から手で押すタイプの空気入れが比較的多い。それでは米式バルブは基本的に入らない。(口の部分に特殊な部品をはめるとできるらしい)
空気入れの必須条件
つまり総合的に僕らが求めていたのは
・持ち運びできるコンパクトサイズ
・英式、米式両方に対応できるもの
・必要な空気圧まで自力で入れられるもの
この3点であった。
これらを満たしていたのが、上の写真の黄色い空気入れだった。こいつは足で踏んで入れるタイプなので手で押していれるタイプよりはるかに楽だ。しかも測りもついているので、タイヤにどのくらい空気が入ったかも明確に分かる優れものだ。
実はもっと複雑だったタイヤと空気入れ問題
こうやって英式だの米式だの読んでいる皆さんもわけが分からないだろう。まさに僕らがその状態で旅をしてきた。複数の自転車屋さんの説明を何度も聞いてやっと理解できたのだ。
徒歩で日本縦断するということで、他にもここには書ききれない複雑な問題が色々あったのだが、何となく意味が伝わるようにと、簡略して書いてみた。
今後の旅での色々なケースを想定して全て今回の久留米の自転車屋さんに細かく相談し情報を頂いた。結果、あの黄色い空気入れを買うことにしたのだ。
装備の買換えは無駄な買物?いや、経験の蓄積だ!
こうやって色々な物を買っては使えずまた買い直すのだが、一見はたからみるとお金の無駄に思えるかもしれない。僕らもずっとそう思って後悔していた。
しかし旅は出てみないとどういう場面でどんなものが必要かは経験を重ねなければ全く分からない。旅の経験を重ねながら道具も進化させていかなくてはいけないのだ、と経験してきた今なら分かる。
お世話になった久留米の自転車屋さん「フリーライド」
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