日本縦断45日目(2016年7月19日)
角島大浜キャンプ場を発つ
陽射しと波の目覚しで僕らは目覚めた。
テント泊はもう慣れてきた。早々に身支度を済ませ出発する。
角島大浜キャンプ場の朝
角島大浜キャンプ場の浜
角島大浜キャンプ場を出発
途中、軽く観光でもしようと直売所や昨日通れなかった海沿いの道を歩きながら角島大橋へと向かう。
今日の角島大橋はかなり風が強い。帽子の紐をきつく締め、幟も飛ばないように補強して歩いた。幸い今日は橋は渋滞していないので歩きやすい。
角島大橋を歩いていると、一台のバイクとすれ違った。
「ん?待てよ、あれは見覚えがあるぞ」
と思ったがバイクはそのまま角島に向かっていった。
旅の運命が変わり始めた瞬間
橋を渡り切ると、大勢の観光客がいる。皆近付きはしないがこちらに視線を送る。その中に先ほどすれ違ったバイクを発見。やはりそうだった。彼は一昨日、小串駅に向かう道の途中で出会ったモトクロス系のバイクに乗った旅人風の男性だ。
この男性との出会いが僕らの旅のあり方を変えることとなる。
【43日目前半:捨てる神あれば拾う神あり」ー10.旅の運命を変えた出会い】
彼は「飲み物でもどうですか?」と声をかけてきてくれたので有り難く頂戴する。せっかくなので、ここで休憩しながら少し話をした。
彼の名は遠藤さん(仮名)。僕はてっきり旅人と思っていたのだが、彼は旅人ではなく旅人を追いかけるのが趣味な方だった。彼のタブレットの中には100名近くの旅人の写真があった。この人にとっては旅人が目的地なのだ。言ってみれば旅人を追いかけて旅をする旅人、つまり“旅人の旅人”というところか。
たくさんの旅人と出会っているので、彼は旅人以上に旅の情報を持っていた。もう旅人よりも旅の経験値が高そうである。
昼食をご馳走になる
話しを終えそろそろ歩き出そうと思ったら、今度はお昼を一緒に食べないかと誘ってくれる。もちろんすぐにOKした。僕らは昨日の夕食が少なすぎてお腹がかなり減っていたし、差入れの残りのお菓子をつまんだ程度だったので、ちょうど食堂でも寄って栄養のあるものをがっつり食べたいと思っていたところだった。
そしてすぐ近くにおしゃれなカフェ(「晴ル家」)があったのでそこでお昼をご一緒することになった。
遠藤さんは本当に旅の情報をたくさんもっていた。自宅で旅人のブログなどを見ながら、近くを通る旅人を探しては会いに行っているそうだ。とてもユニークな趣味である。そして彼はとても充実しているように見えた。
話は今日の寝床の話となり、僕らがまだ決まっていないと知ると、近くの青少年自然の家を紹介してくれた。そこは旅人も歓迎だそうで、この後バイクでその青少年自然の家まで行って詳しい事を聞いてきてくれるという。
そして最後にお会計までご一緒してくれた。もうどこまでも有り難い。旅とは自分たちだけでは決してできない。応援してくれる人があってこそ成り立つものだと改めて感じた。
店を出ると彼は先にバイクで自然の家に向い、僕らは再び歩き始めた。
油谷青少年自然の家へ向かう
油谷青少年自然の家まではここから14kmほどなので、今日中には何とか着けそうだった。とりあえず泊まれるかは分からないが、自然の家は本来のコース191号線沿いにあるので向かうことにした。
歩いていると蛇と遭遇した。死んでいる蛇はこの旅で何度も見かけているが、生きてる蛇をはっきり見るのは初めてだ。(熊本で一瞬逃げるのはみかけたことがある。)
蛇に遭遇
そのまま進むと、綺麗な海の公園(阿川ほうせんぐり海浜公園)があったので休憩がてら記念撮影をした。
阿川ほうせんぐり海浜公園で記念撮影
その後は山を越え川を越え、畑を越え、鹿に注意したり威嚇するカカシに驚いたりしながらどんどん前進した。
山からの景色
これはカカシ?手には緑の瓶を持っている!
鹿に注意!
川も越える
電車とすれ違う
しばらく歩いていると前方から先ほどの遠藤さんが戻ってきた。実は先ほども自然の家の資料を持って一度戻ってきてくれていたのだが、僕らのペースが遅すぎて今日中に自然の家に着けるか心配でまた様子を見に来てくれたのだ。
僕らがもうすぐ近くまで来ていると分かると、遠藤さんは再び自然の家に知らせに走った。
バイクに乗って再び自然の家に知らせに走る遠藤さん
油谷青少年自然の家に到着
こうして遠藤さんのおかげで何とか無事、油谷青少年自然の家に到着することができた。何度も往復させて本当に申し訳なかったが、とても助かった。遠藤さんがいなければ、自然の家に泊まることなどなかっただろう。
玄関につくと一斉に職員さんたちが元気な声で出迎えてくれるではないか!
ここは本当に自然の家なのか!?
僕らが子供の頃に利用した自然の家は、こんなに利用者を歓迎してくれただろうか。いやそんな記憶はない。もっと閉鎖的で事務的な印象しかない。自分たちで勝手に使ってくれ、そういうネガティブな印象しかない。こんなに歓迎してわざわざ外にまで出迎えてくれる自然の家は初めてだ。いや、それなりのお金を払って泊まるホテルでもこんなに歓迎して迎えてくれることはない。
所長さんは撮影のためにわざわざ正装(カープの帽子)までしてきてくれた。この写真では無表情だが、いつも感謝と笑顔の絶えない方だ。奥の方も面白い職員さんで、この時は控えめに写っているが後々大分仲良くなった。
宿泊の手続きも終え、最後に遠藤さんと記念撮影をしてお別れした。別れ際、遠藤さんは弁当を手渡してくれた。この辺はコンビニもスーパーも無いからと、わざわざ僕ら夫婦のために遠くのスーパーまで行って買ってきてくれていたのだ。
もう感謝でいっぱいである。
プライベートビーチで旅の疲れを癒す
ここ油谷青少年自然の家は裏に海があるということで、僕らは疲れを癒すために向かった。
するとそこには波の穏やかなプライベートビーチが広がっていた。そばにはシーカヤックもたくさん並んでいる。バーベキューやキャンプができる広場もある。
バーベキューやテント泊ができる多目的広場
シーカヤックやサーフボードがずらり
こんなに良い施設だとは正直思っていなかった。古びた建物で寝泊りだけできる感じだと思っていたが、もうここはリゾートホテルである。
昔からの自然の家なので施設そのものは古いが、それ以外は沖縄のリゾートホテル並みに色々そろっている。しかも目の前には無人島があり、上陸も可能だとういうではないか。
明日にでもシーカヤックに挑戦してみよう。
本日の歩行データ
宿泊場所 | 油谷青少年自然の家 |
---|---|
歩行距離 | 23.40km(Garmin+GoogleMap) |
歩数 | 36,423歩 |
疲労度 | 7/10 |
コメント
あきらーお久しぶりです。やっとはじめから全部読んで追いつきました。
日本縦断すごい! 気を付けて奥さんとよんなー頑張って下さい。
アメリカから応援してます🤗
おー!ちっちー!かなり久しぶり!一つ一つが長いのに始めから読んでくて有難う。夫婦でよんなー頑張ります!