日本縦断44日目(2016年7月18日)
最後の最後まで面倒を見てくれる
朝が来た。泊まらせてもらった部屋も元通りに片付け身支度をし、お礼を言いに母屋へ向かった。
挨拶をし中に入ると、そこにはまさかの朝食が用意されていた。
もう最後の最後まで面倒を見てくれる。本当に感謝してもしきれない。これを力に変えて、僕らはただただ歩くしかない。宗谷岬まで完歩するしかない。
食事を終えると、4人で記念撮影をした。
今日は、おじちゃんおばちゃんがお勧めしていた角島(つのしま)に向かうことにする。角島は海が綺麗でキャンプ場があるらしい。本来のコース(国道191号線)からは往復16kmの寄り道となるが、おじちゃんおばちゃん勧めてくれたし、妻も行きたいと言っているので行くとしよう。
しかしこの選択が後々自分たちを追い込むことになる。
二見浦の夫婦岩と危険なトンネル
今日の旅路は山というわけではないが、アップダウンの繰り返しで地味に体力が奪われていく。炎天下も手伝って疲労も溜まるのが早い。それに歩道もほとんどないので緊張が途切れず精神的にもきつい。
途中で見かけた二見浦の夫婦岩
歩道がない
犬鳴岬
のどかな集落
危険なトンネルもたくさんあったが、進まねばならない。いつも通り妻が先頭で誘導棒で運転手に合図を送る。
どうにかこうにか、「道の駅北浦街道豊北」に到着。とりあえず休憩しようと思ったが、あまりの混雑ぶりに座れず。日陰で立って休むことにした。
おい、そこの君!盗撮禁止!
休憩中、僕が疲労でぐったりして立っていると女性が目の前に来ていきなり盗撮。僕が顔を見ても完全無視である。許可やお礼など一切ない。パシャっと撮って何事もなかったかのようにサーっと去っていった。僕とすれ違っても目を合わすことなく無視して帰っていった。
しかもこの女性、子連れだったのである。子は親の行動をしっかりみているものだ。親が盗撮している間、それを子供はそばで見ていた。これがその子の常識となりいづれ同じことをするかもしれない。
この旅では何度も盗撮されている。芸能人の気持ちが分かる気がする。
多くの方は「写真撮っていいですか?」と一声かけてくれるのだが、ほんの一部の人たちはこちらの許可などお構いなしだ。一言もらえると快く応じるが、盗撮は逆にショックだ。撮るなとは言わないが一言ほしい。
逆にいきなり自分が盗撮されたらどういう気持ちになるか、、、自分の子供が盗撮されたらどうだろう。
許せるか?
いや、きっと怒り狂うのではなかろうか。
僕も同じ事をしないよう日頃から注意しながら撮影しよう。反面教師だ。
角島は大渋滞
道の駅からさらに歩いて角島(つのしま)まで残り約8kmとなった。ここからは191号線を離れて275号線に向かわなければならないが、やけに車が多い。
よく見ると角島方面からの大渋滞が起こっているではないか。
これはまずい。まさかこんなに混んでいるなんて思いもしなかった。時刻は16時10分頃である。キャンプ場に予約をしていないので入場できるか分からない。
念のためキャンプ場に電話をしてみる。するとやはり混んでいるとのこと。そして受付事務所は18時には閉まるというではないか。
あと8km以上あって残り時間1時間50分。通常歩くスピードは時速4kmなので、いつものペースで歩けば2時間はかかる。
もうこれは走る以外に選択肢はなかった。
しかしその前に大きな問題があった。
今日はキャンプの予定なので食料を調達しなければならないのだ。
電話でその点も確認すると現在僕らがいる場所からキャンプ場まではお店は一切ないとのこと。自販機だけはキャンプ場にあるので水分は大丈夫そうだが、30km以上歩いて夕食抜きはきつい。
しかも今日の昼食は二人でおにぎり2個である。あとは先日戴いた煎餅を少々。もう今の時点で腹ペコだった。キャンプ場によると18時までならキャンプ場の売店もあいているという。
もう決定だ。走るしかない。
角島大浜キャンプ場まで8km走る!
僕は7㎏の荷物を背負って40kgのトレーラーを押して走らなければならない。妻は5㎏の荷物を背負って走らなければならない。ちなみに妻は普段4kmも走れないほど体力がない。
しかし走る以外他に選択肢はない。
とりあえず走り始めた。すると道は坂の嵐だった。上っては下り、下っては上り、通常ならこの装備でも僕なら5~6分/kmで30分ほどは走れるのだが、このアップダウンでは10分も持たなかった。
走っては歩き、走っては歩きでようやく半分の角島大橋まで来ることができた。時間はぎりぎりだ。山を想定していなかったので走った割にあまり前に進んでいない。
角島大橋は危険度MAX
そして急いで角島大橋を渡ろうとしたのだが、しかしそこには話に聞いていた歩道がない。人間が歩けるスペースも全く確保されていない。
もう気持ちが萎えた。空腹やアップダウンの激しさ、長い道のりでもう脱力感しかない。僕も妻も息がかなり上がっている。
だが、もうこの辺で野宿できそうな場所などないし、探す時間もない。
この角島大橋は1,780mもある。これは沖縄の古宇利大橋の1,960mに次ぐ長さだ。こんな長くて高さのある橋で車道を歩かなくてはならない。
高所恐怖症の僕にとっては一大事だ。
簡単な橋だと思っていたのに。。。
とりあえずもう行くしかなかった。
さらにこの橋も結構なアップダウンがある。事故に合わないよう注意深く歩く。反対車線は角島から帰る車で大渋滞だ。この渋滞はなんとキャンプ場までのほぼ8km近く続いていたのだ。
橋を歩いている間は渋滞の車からたくさんの声援を頂く。しかしここでも盗撮する人間がいた。ん~困ったものだ。
どうにか角島大橋を渡りきったのだが、またしても目の前には坂が。。。もう破れかぶれである。額から汗のシャワーをまき散らしながら走っていると、渋滞の車からの声援もより一層多くなっていった。
角島大浜キャンプ場に到着
どうにか受付が終わる直前に到着することができた。滑り込みセーフである。
急いで受付を済ませ売店へ向かった。何とか間に合ったが、閉店間際だったのでイカカレーと焼きそばしかないと言われ、それをそのまま注文する。
しかし出てきたのは小食の女性用サイズの焼きそばとイカカレーだった。この二つで1,200円もした。これは海水浴場価格だ。完全に失敗した。これだけでは全くお腹は満たされないが仕方ない。
横にある揚げ物は店員さんからの差入れ
食事だけではない。キャンプ場なので料金は安いだろうと思っていたら、二人で3,000円もした。これも予想外だった。これならあと1,000円だせば安いホテルに泊まれるではないか。
慌てて走ってまできたのに。。。ああ折角、苦労して旅のコースを外れてまで来たのに。。。もう今日は踏んだり蹴ったりだ。
僕らは2分/100円の冷水シャワーで汗を流し眠りについた。
本日の歩行データ
宿泊場所 | 角島大浜キャンプ場 |
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歩行距離 | 30.92km |
歩数 | 45,563歩 |
疲労度 | 10/10 |
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