日本縦断138日目(2016年10月20日)
おばま大統領に会いに
今日はあの“おばま大統領”に会いに行く。
とはいっても、実際に本人に会えるわけではない。
察しが早い人はお分かりだろう。そう、オバマさんが大統領になった時期に日本で話題となった福井県小浜市である。そこに「道の駅若狭おばま」があるというわけだ。
距離にしてほんの13㎞ほどだが、僕らはかなり疲労が溜っていた。それに翌日は30㎞歩く予定だったので、今日はゆっくり休みたかったのである。
こんな感じでオバマ大統領が出迎えてくれる
「道の駅若狭おばま」に到着
途中、「100満ボルト」という家電量販店で万歩計を購入したりしながら、なんと12時前には「道の駅若狭おばま」に到着した。
家電量販店の「100満ボルト」
二代目の万歩計
「道の駅若狭おばま」に到着
たまには道の駅で寝るだけでなく楽しもうということで店内を見て回ったら、なぜかシーサーがあった。なぜ福井の道の駅で売られているのだろう。不思議だ。
ちょうど昼食時だったので僕らはシーサーではなく、奮発して鯖寿司を買うことに。僕は鯖寿司が大好物だ。店員さん曰く、小浜市は鯖が有名らしく、「鯖街道」なる道もあるくらいだ。ここの鯖寿司はそうとう旨いらしい。お店毎に色々な鯖寿司がある。
店員さんにおすすめを聞いてみると、この店員さん自身も鯖寿司が好きなようでウキウキしながら各店の鯖寿司を解説してくれる。その中でも、特に鯖の味がしっかりしているという田村長(たむらちょう)の「鯖棒寿司」を選択。
実際食べてみると、今までで食べた鯖寿司の中で一番旨かった!
鯖は厚みがあり、脂ものっていて酢のバランスもちょうど良い。鯖の味もしっかり残っている。かなり旨い。
うん、これはかなり満足だ。美味しく堪能させてもらった。
鯖寿司好きな方は是非、田村長(たむらちょう)の「鯖棒寿司」を食べてみてほしい。僕もまた食べたいが、残念ながら沖縄には送ってくれないらしい。非常に残念だ。しかも販売は10月頃とのこと。今回食べることができたのはとても幸運だった。
ちなみに夕食も「焼き鯖寿司」を食べた。鯖寿司は焼いても旨い!
※「鯖街道」・・・小浜市から京都まで鯖をはじめとする様々な物資が運ばれた道。鯖が多かったためその名がついたらしい。参照→「若狭鯖街道熊川宿」
無線おばあちゃん
食事の後は休憩所のような場所で休むことに。中に入ると一人の清楚な感じのおばあちゃんが近寄ってきた。歩くのはやっとという感じだが、話し方もやや弱々しい感じである。
しかし僕らが「沖縄から歩いてきた」と言うと、目が点になり急に表情がシャキッとした。
すると、おばあちゃんは神を拝むかのようにかなり有難がってくれる。「冥土の土産になる」と目を輝かせて喜んでいる。そして記念撮影がしたいと、車に走って戻った。先ほどまでおぼつかない足取りだったはずが、一転パワフルだ。きっと嬉しすぎてアドレナリンが爆発しているに違いない。
車から戻ってきたおばあちゃんは、なんと一眼レフでしかもプロが使うようなかなり本格的なカメラだった。
カメラにも驚いたが、このおばあちゃん、実は無線が趣味なのだとか。結構色んな人と無線でやり取りしていて、僕らを無線で全国の無線仲間に紹介したいという。
はじめの歩き方や話し方からは想像できないが、結構アクティブのおばあちゃんだった。僕らも元気をもらってお別れしたが、おばあちゃんの背中はまるで子供がおもちゃを買ってもらったかのようにウキウキ弾んでいた。
寒い中タンクトップのおじさん
次に来たのは見るからに変なおじさんだった。なぜ変かというと、こんな寒い中タンクトップ一枚でさっきから外をうろついているのだ。
「あ、これはヤバイなぁ」と感じつつもとりあえず話す。僕らの旅の話しにはあまり興味がないようで、どうやら筋肉を自慢したいらしい。いわゆるマッチョポーズをしてアピールしてくる。
そして自分は元ボクサーだと言う。有名なプロボクサーの名前を出して一緒に練習していたか教えてただか、いかにも信じ難い話をしてくる。
すると突然、道の駅の職員さんに文句を言い始めた。
「ここは日本一ダメな道の駅だ!こんなにポスター貼ってる道の駅はここ以外ないぞ!」
僕は突然の言動に驚いた。その職員さんは先ほどまで僕らに良くしてくれていたのでなお更だ。
ポスターの量は他の道の駅と大差ないし、道の駅自体は他より活気がある方なのでこの変なおじさんが言う事は全く当てはまらない。
続けてこの変なおじさんは思いがけない事を言った。
「おい、テレビくらい付けてやれや!旅の人が観たいって言ってるだろ!」
ちょちょちょちょっと待て!
僕はテレビが観たいどころか、テレビのテの字も言っていない。
それにあなたとの会話で一切テレビの話は出ていないし、それどころか会話はほぼあなたの自慢話で僕は聞かされているだけだったじゃないか。
休憩するために早く到着したのに、これでは逆に疲労が増す一方だ。
僕はなるべく絡まれないよう、自然に奥の方に逃げた。違う場所にいた妻にも注意するように伝えた。
その後もこのおじさんはタンクトップ一枚で外をうろつき、また休憩所に入って来ては職員に文句を言っていたが、周囲が相手をしてくれないと分かるともう来なくなった。
生の東北弁を堪能
しばらくして僕がベンチで休んでいると、年配の男性が差入れをしてくれた。外見は強面でその道の人間に見える。これは絡まれたくないと思った。
警戒していると、やはり僕らは目立つので絡んできた。「あ、やばいなー」と思うもどうしようもないので会話をしてみると、この方は東北(たぶん仙台だったと思う)から来たトラック運転手だった。
ふー、一安心。
この方は僕らの事を応援しつつ、東北の震災の場所も回ってほしいと言う。恐らく現状を知ってほしいのだろう。ゴールの宗谷岬に着いた時点で元気があれば東北も回る予定だ。(実際には元気はなかった)
この男性には他にも色々と聞かせももらったが、実はほとんど何を言ってるか分からなかった。というのも、物凄くなまっていてたまに聞き取れる単語をみつけるがやっとだったのだ。
僕は沖縄の方言がほとんど分からないので、沖縄のおじいちゃんおばあちゃんが話している会話は99%分からない。この男性の話しもそれに近いものがあり、ほとんど聞き取れなかったが本場の東北弁が生で聞けたことが嬉しかった。
なので敢えて会話は止めず聞いていた。これも貴重な経験だ。
初めてチャリダーとゆっくり交流
僕らが休憩していると、20代後半の若い男性チャリダーがやってきた。
この旅では旅人と出会うことはあっても、ゆっくり交流することは一度できていなかった。時間が無かったり、疲労で交流どころではなかった。僕が人見知りという理由も少しある。しかし今日は距離も短かったし長めに休憩もできていたので、交流してみようと思った。
Yさんは既にほぼ日本一周してきており、もう数日後にはゴールなのだとか。お互いそれぞれの旅の話を共有し、距離を縮めていった。彼はほぼ日本一周を終えているので、僕らより経験が豊富でとても学ぶ事が多かった。何よりも話が楽しかった。
今まで旅人とたくさん交流してこなかった事を後悔した。これもYさんから学んだことだ。
Yさんは旅で出会った人で繋げる“しりとり”をしていたのも面白かった。
僕らは前の人が「ダパンプ」(懐かし!しかも沖縄のグループ!)だったので、「ぷ(プ)」でお願いされた。
僕らは甘いもの癖が悪いのですぐ思いついた。
「プリン!!」
凄い速さだと自分を褒めようかと思ったら、「ン」で終わってしまうではないか。
ついつい甘いものばかり想像してしまう。反省せねば。
結局、「プリン」以外思いつかず、「ぶらり旅」をいじって「ぷらり旅」にした。
【僕らの“しりとり”写真が掲載されているブログ】
(細かいが、写真はちょっとおしゃれにプの丸の部分を足跡にしてみた。センスがないのは承知している。)
Yさんはとても気さくで話し上手な好青年だった。また会いたい人だった。
その日の晩はテントも隣同士で野宿することにした。
Yさん、貴重な体験を有難う!
コメント
久々の投稿です❗
鳥取県は先週大雪で大変でした😞💦
その為、大雪の中での仕事に草臥れてしまい日記の更新に頭が追い付かなかった❗
ずいぶん先に進まれましたね😅
今回は1日にいろんな方と出逢われ、旅の楽しいところでもありますね🍀
学校では学べない生きた授業ですね😊
大雪の中、お仕事大変でしたね!(><)こちらは真冬のはずが暑いです(^^;雪の中歩いていたのが懐かしい今日この頃です(笑)
道の駅おばまではたくさんの出会いがあり、面白かったです。本当、学校では学べないことが旅には詰まっています(^-^)
濱中さんも雪の無い暖かな冬を過ごしに沖縄へ旅に来てください。今度は僕たちがおもてなししますよ(^-^)